Tender Surrender

ブラウザで音を楽しむイベント:Web Music ハッカソン #3 レポート

ブラウザで利用可能な Web Audio API や Web MIDI API などを使って音を楽しもうというこのハッカソンも、早いものでもう3回目となりました。今回も実に濃い内容で、素晴らしい作品が目白押しだったのですが、このポストではできるだけさらっと、その内容をお伝えしたいと思います。

実は今回のハッカソン、前日にベルリンで Web Audio Hackday というイベントが開催されており、せっかく日程が近いのだから何かコラボレートしたいよね、ということで連絡を取り合い、ひとまず報告ブログという形で成果を見せ合うという試みをしています。この後で英語版の記事をポストする予定。ベルリンからの報告も、公開され次第リンクします。

オープニング

まずは挨拶の後、Google エンジニアで Web MIDI API の実装を担当している @toyoshim から、Web MIDI API の仕様に関するアップデートでスタート。資料はこちら:

そして今回もチューターとして参加された、日本の Web Music の世界ではすでに有名人の (実は世界的にも知る人ぞ知る) @g200kg さん、@aike1000 さん、@sascacci さんそれぞれから、Web Audio / MIDI を使ったアプリケーションのデモが行われました。あまりのレベルの高さにハッカソンのハードルがグググッと上がります。

@sascacci さんは 電子ドラムを使ったビジュアルエフェクト

@aike1000 さんからは各種テンプレートの紹介とデモ。サンプルコード集 は Web Audio API を使ってサイン波を出すところから、サンプル音の再生、ディレイやピッチチェンジャー、ディストーションの使い方などかなり便利なスニペットが書かれているので、ウェブ上のオーディオプログラミングに興味ある人は必ずチェックしましょう。 他にもシンセのテンプレ集VJフレームワークも。

@g200kg さんからは LiveBeats のデモ

また、ヤマハの多田氏から DAW (Digital Audio Workstation)、つまりいわゆるプロ向け音楽制作環境とブラウザを接続するための Web Music DAW Connector が発表されました。これがあれば、プロの音楽制作に JavaScript で作ったプラグインを持ち込むことができるようになります。
Web Music の世界が着実に前進していることを感じますね。

そして今回はなんと、JSPA (日本シンセサイザープログラマー協会) の方がこのイベントのために曲を作って披露してくれました。音源にポケミクを使っているので、伴奏はもちろん、初音ミクの歌が付いています。映像も制作してくれました。

 

このイベントは元々、ウェブプラットフォーム上で「音楽」と呼べるレベルのことができるようになることを目標にしていたので、良い刺激をもらいました。現段階では「音」レベルの原始的なところに留まっていると言わざるをえませんが、さらにプラットフォームを積み上げて、より音楽的なことができるようにしていくのが醍醐味とも言えます。

ハッキング

会場には参加者40名超に加え、W3C、ヤマハ、ローランド、コルグ、クリムゾンテクノロジーの各楽器メーカー、JSPA (日本シンセサイザープログラマー協会) 、AMEI (音楽電子事業協会) 関連の方など、多数ご来場頂きました。ウェブ業界よりも楽器業界からの注目度の高さの方が目立つくらいです。

今回も各楽器メーカーから楽器を貸し出して頂いたのですが、自前の楽器を持参された方がかなり多かったのが印象的です。その他ハッキング中の熱気は写真でご覧頂きましょう。

デモタイム

11時半に始まったハッキングタイムも16時半で終了。たったの5時間という短い時間でしたが、チューターのものも含めて、ユニークな作品が合計で26個制作されました。すべて紹介するわけにはいかないので、一部だけピックアップして紹介します。

これまでの反省を踏まえ、今回のデモのライブストリームでは、音声をラインで取って配信したため、非常にクオリティの高い動画を残すことができました。Roland さん、機材をご提供頂きありがとうございました。2時間半ありますが、ご興味ある方はぜひライブストリーム全体のアーカイブもお楽しみ下さい。

※各画像は YouTube の該当箇所にリンクしています。

村井教授

デモタイム最初にスペシャルゲストとして登場したのは日本のインターネットの父こと、慶応大学の村井純教授。ご挨拶を頂きました。スペシャルゲストの登場に、俄然盛り上がります。

D.F.Mac

3 回目の登場で皆勤賞となる D.F.Mac さんですが、今回も個性的な作品で会場を困惑させてくれました。野菜や空き缶をトリガーにブラウザと連携したDAWから音が鳴るという作品。詳しい解説はこちら

ヨコボリマサユキ

電車でGo! のコントローラーを MIDI で繋いでそれっぽい音が出せるという作品。

廣野大地

ScoreSketch は簡易型シーケンサー。前回優勝者の作品らしく、非常に完成度が高いです。

kirinsan.org

オタマトーンの音を解析して?MIDI 信号に変換し、シンセサイザーを鳴らすという作品。

高木崇(@okame_okame)

エレキ木魚 (ソースコード)
毎回木魚芸^Hアートを披露してくれる高木さんの新作。

@watilde

abeck.js (ソースコード)
ABC記譜法でシーケンスを登録すると、音楽の再生と譜面の生成ができるという作品。

@mohayonao, @nanonum

自動作曲 (ソースコード)
入賞こそ逃しましたが、音楽的にもかっこよく、ビジュアライゼーションまで付いている贅沢な作品。

CookPitch

ハミングでページ送りなどができるレシピサービス。手を使わずに済むので、料理をしながら PC が見れます!

Himakan

Face Tracking Effector (ソースコード)
今回の優勝作品です。アイディア的に似たようなものはいくつか見てきましたが、この作品は圧倒的にかっこよいです。

@aike1000

未来のエフェクター
オープニングのデモで披露してくれたギターエフェクトに、それっぽい見た目 (どこかで見たような・・・?) を加えて、曲として演奏してくださいました。

@sascacci

奇跡のコラボ
V ドラムと Dontata くんの奇跡のコラボです。V ドラムに合わせて Dontata くんがドラムを叩いてくれます。そして JSPA 提供の楽曲に合わせてセッション!

@g200kg

Livebeats の改良版を披露してくださいました。

まとめ

今回も大いに盛り上がった Web Music ハッカソンでした。みなさん使い慣れたプラットフォームなどができてきて、徐々に音楽的になってきていることを感じます。まだしばらく時間はかかりそうですが、個人的にはミュージシャンが参加しても楽しめるようなイベントになるといいな、と感じています。
次回もお楽しみに!

P.S. 主催の河合さん、お疲れ様でした!

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