Tender Surrender
ウェブの未来を夢見るブログ
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パスワードの不要な世界はいかにして実現されるのか - FIDO2 と WebAuthn の基本を知る
不正送金やアカウントの乗っ取りなど、パスワードが原因の事件が後を絶ちません。高齢者など、IT リテラシの低い人でも簡単かつ安全に自分のオンラインアカウントを管理できる世界が理想ですが、まずはパスワードの不要な世界を実現するのが先決であることは、これまでのインターネットの歴史で証明されたと言えるでしょう。そして、ここに来てパスワード不要なログインを実現する技術として注目されているのが FIDO (= Fast IDentity Online, 「ファイド」) です。そしてその FIDO をブラウザから利用できるようにするのが WebAuthn (= Web Authentication、「ウェブオースン」)。報道内容などからこれらは指紋認証を実現するもの、と思っている人もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはちょっと違います。
WebAuthn に関しては、すでに数多くの記事が出ていますので、テクニカルな利用方法についてはそれらに譲るとして、この記事では大局的な部分、この技術によって未来のアイデンティティがどう変わっていくかなど、大きなビジョンについて解説します。
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結局 PWA は来るの?来ないの?
昨日 Twitter でこんな記事を発見しました。
「instagram の PWA が最高〜!ネイティブと見分けつかない!!とかほざいているグー○ルのエバンジェリストだかエンジニアが騒いでいたので触ってみたのだが、オワコンであった。」
もしかしてこれのことかな?
Instagram PWA is sooooooo impressive. I probably won't be able to distinguish it with its native app.
— Eiji Kitamura / えーじ (@agektmr) 2018年1月26日
InstagramのPWAが、デキが良すぎて感動してる。ネイティブアプリと見分けられる自信ない。 pic.twitter.com/DS8TfceBZ6確かに、この言い方は若干煽り気味のところがあったかもしれません。しかし、Instagram の PWA について、スクロールの快適さ、投稿時にフィルターがかけられる点など、「ネイティブと見分けられる自信がない」のは、初めて使った時の僕の率直な感想ですし、今でも快適に使っています。
ただ、このツイートをした時点ですべての機能を試したわけではなかったし、後から気付いた違いもありました。勘違いしないでもらいたいのは、もちろん、だからネイティブアプリは不要だなんて言うつもりはないということです。むしろせっかくなので、この機会にもう少し PWA について説明しましょう。
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Payment Request API のよくある誤解を解く
このポストは Chromium Browser Advent Calendar 2017 の 12/8 分です。先日 Medium に投稿した英語版を翻訳し、日本向けに若干加筆したものになります。
Payment Request API が登場してからというもの、おかげさまで非常に多くの方に興味を持っていただいています。一方、その複雑さから勘違いや、誤った情報を元に盛り上がってしまっているような状況が起きています。この記事では、みなさんの反応を見ている中でよくある誤解を解き、正確な情報を提供しようと思います。
そもそも Payment Request API が何かご存じないという方は、まずここから読んでいただくと良いと思います。
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Web Payments はなぜ避けて通れないものになるのか - ウェブでの新しいお金の払い方
前回の記事で解説したように、Payment Request API によってウェブでの支払いにおけるユーザーエクスペリエンスは大きく変わる可能性があります。しかし、これが本当にメインストリームになるのか、将来的に自分のサイトを対応させる必要性は出てくるのか?そんな疑問を持つ方は少なくないと思います。
僕はかなり高い確率で、今後ウェブ上でのほとんどの支払いが Web Payments を経由したものに変わっていくと予想しています。この記事では、その理由を説明していきます。
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ウェブでの新しいお金の払い方 - Web Payments と Payment Request API について
前回の記事では、フォームを最適化することでウェブの決済フローを改善するアイディアについて書きましたが、今回は新しい標準 API を使ったアプローチについて書きます。
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